メディア掲載

メディア掲載

メディア掲載

株式会社TKC発行の企業向け情報誌「戦略経営者」2024年11月号に当事務所のお客様である、株式会社歯愛メディカル様がご紹介されました。

歯科医から経営者に…顧客に寄り添うサービスで業界をけん引

「歯科医院を経営するなかで、次第に歯の治療に用いる器具や消耗品の値段の高さに疑問を持つようになりました。起業を志したのは、品質の高い歯科材料、医療材料をリーズナブルな価格で提供することで、歯科医院の先生方に喜んでもらいたいという思いからです」

歯愛メディカルの創業者である清水清人社長は、事業を興した経緯をこう語る。

主に歯科医院や歯科技工所向けのインターネット通販事業を手がける同社。特筆すべきは商品の豊富なラインアップと顧客のカバー率の高さだ。同社の通販サイトである「Ciモール」では治療器具やオーラルケア用品、衛生消耗品、ユニフォーム、雑貨など、歯科医院、歯科技工所の業務に不可欠な商品を網羅している。

現在は約6万軒にのぼる歯科医院のほか、歯科医院以外の病院やクリニック、動物病院、介護施設、保育所、幼稚園、エステサロン、理美容店、調剤薬局など、多岐にわたる顧客がCiモールを利用している。

「全国の歯科医院の90%がCiモールを利用しています。歯科医院向け歯ブラシの販売本数、歯科用品の通販売上高では業界トップシェアを誇っており、最近は歯科業界に軸足を置きつつ、歯科医院以外の業界に対してもさまざまな商品やサービスを提供しています」(清水社長)

このように、同社の商品やサービスが幅広く支持されているのは、清水社長が創業時に抱いた「高品質な商品を手に取りやすい価格で提供したい」という思いを形にしたからである。

株式会社歯愛メディカル

株式会社歯愛メディカル

業 種 歯科材料の企画・開発・販売等
創 業 2000年1月
所在地 石川県能美市福島町に152(本社)
売上高 約1000億円(グループ合計)
社員数 約2100名(グループ合計)
利用システム FX5

清水清人社長

清水清人社長

トレンドに対応した商品展開

高品質な商品を低価格で提供できている要因、それは商品の企画・開発から配送の手配まで、自社で手がけているところにある。同社では商品の卸販売はもちろん、自社で企画・開発した商品も多数そろえている。

清水社長が商品を企画・開発する上で特に重視しているのが、「社会の情勢やトレンドにあった商品を展開する」こと。同社では顧客の目線に立ち、顧客が直面している課題の解決に役立つ商品を、スピーディーに展開することに重きを置いていると清水社長は言う。

「例えば、歯科業界がいま直面している課題として、人手の確保が挙げられます。他の業界の例に漏れず、ほとんどの歯科医院がスタッフの採用・定着に苦慮しているのです。政府も人手不足の解消に向けて賃上げを声高に叫んでいますが、賃上げを実現するにはオペレーションを効率的に回すことが欠かせません。こうした情勢を受け、当社では自動釣銭機や、アポイントメントシステムを開発して今年のはじめ頃から販売を開始しました。この製品を活用することで受付業務の効率化が期待でき、実際に、受付のオペレーション改善を図るべく導入する歯科医院が増えつつあります」

地の利も大きく後押ししている。というのも、同社が拠点を置く石川県は日本列島の中間に位置していることから、全国の顧客に対してスピーディーに商品を配送できるのだ。

例えば東北地方(青森県を除く)から福岡県の顧客に対しては注文日の翌日に、北海道、青森県、そして九州地方(福岡県、沖縄県、鹿児島県の離島部を除く)の顧客については、注文日の翌々日に商品が到着するよう、配送スケジュールが組まれている。

清水社長は言う。

「いわゆる『2024年問題』の影響で、ある大手物流事業者は関東圏からの翌日配送可能エリアを、福岡県から兵庫県に縮小しましたが、当社は配送スケジュールを一切変更することなく、今までどおりの日程で商品をお届けできています。また、当社は土曜、日曜、祝日も営業しているので、これらの日に注文いただいた商品も、通常のスケジュールで配送しています。こうしたスピーディーに商品をお届けできる仕組みを確立しているところも、他社にはない優位性の一つと捉えています」

2023年10月には、本社の移転に合わせて新たなロジスティクスセンターを能美市内に開設。パレット自動倉庫や自律走行ロボットなど、最新鋭のマテハン(マテリアルハンドリング)設備を導入したことで、商品の保管能力や出荷能力のさらなる強化を実現しているという。


能美市にある本社兼ロジスティクスセンター

能美市にある本社兼ロジスティクスセンター

「Ciモール」は全国の歯科医院の9割以上が利用

「Ciモール」は全国の歯科医院の9割以上が利用

歯科医院、歯科技工所の業務に必要な商品を網羅

歯科医院、歯科技工所の業務に必要な商品を網羅

顧客向けの広報誌も手がける

顧客向けの広報誌も手がける

買い手の立場に立つ

歯科医として、多くの患者の歯の治療に携わっていた清水社長が同社を立ち上げたのは00年のこと。当時はインターネット通販の黎明期で、すでに複数の事業者が歯科材料のネット販売を手がけていた。

「当社は業界のなかでも後発にあたりますが、実際に歯科医院を経営していた経験から、『どんな商品をどの価格帯で提供すれば喜ばれるか』を十分に理解していました。買い手の目線に立った商品展開、価格設定を行えば、おのずと顧客が拡大していくと確信していましたね」

そう語る清水社長の言葉どおり、創業直後は清水社長とつながりのある北陸地方の歯科医師がこぞって同社のサービスを採用。その後、口コミを通じて取引先が全国規模にまで拡大していった。

「例えば、『初診の患者が集中する月曜日は歯科医師が多忙を極めるので、案内や連絡を入れることを極力控える』といったように、顧客の立場に立って物事を考え、行動した結果、顧客との強固な信頼関係の構築に結びつきました」(清水社長)


デジタル技術の活用で飛躍へ

他社との差別化を図るべく、ラインアップの拡充や新たなサービスを矢継ぎ早に展開したことも、同社の事業成長を後押しした。その一つが、12年に立ち上げたデジタル技術を活用した技工物の製作事業(CAD/CAM事業)である。

通常、歯の詰め物や被せ物といった技工物を作る際、粘土で歯型を取る、型に石膏を流して歯の模型を作る、模型にあわせて詰め物・被せ物を作るなどの工程を経ることから、型取りから技工物の完成までに時間を要してしまうという課題があった。

一方、口腔内スキャナやCAD・CAMソフト等を活用した場合、口腔内をカメラで撮影し、その画像をもとに技工物をAIで自動設計することから、従来の手法に比べて技工物が完成するまでの時間を大幅に短縮できるという。

「最近は、全国の歯科技工所とのM&Aにも積極的に取り組んでおり、高品質な技工物をより迅速に提供できるネットワークを確立しつつあります。今後は物流機能強化による通販事業の拡大、歯科技工のデジタル化の二つを軸に、当社をさらなる成長に導いていきたいですね」

と、清水社長は力強いまなざしで将来を見据える。


コンサルタントの眼

税理士法人宮西会計
石川県白山市馬場2-19
代表社員税理士 宮西邦夫
宮西事務所第二監査部課長 山田宜彦

歯愛メディカルさんは歯科医院向けの通販サービスを祖業とする会社ですが、現在は歯科医院以外にも多くのお客さまを抱えており、多岐にわたる事業を展開しておられます。東京証券取引所のスタンダード市場に上場しており、業界をけん引する企業として存在感を放っています。

 当事務所が歯愛メディカルさんと顧問契約を結んだのは2008年7月のことで、顧問に就いて早々にTKCの自計化システムを導入しました。現在は『FX5』と固定資産管理システム『FAManager』を利用し、業績管理や固定資産の管理に役立てています。

 清水社長は自社ならびにグループ全体の業績に常に関心を持っておられる方で、毎月中旬に開催される月次報告会では、親会社と子会社5社の個別貸借対照表、損益計算書に目を通し、その上で各役員の方と意見交換されています。月次報告会に先駆けて、当事務所では毎月8~10日ごろに歯愛メディカルさんを訪問。会計処理や証憑書類の確認などの巡回監査業務を実施しています。

 過去に「単月の数字と期中の累計額をひと目で把握したい」との要望を受け、『FX5』の「MR設計ツール」機能を活用して貸借対照表と損益計算書の単月数値と期中累計値を会社・部門ごとに1ページにまとめた資料を作成し、月次報告会の参加者に配布しています。この資料は約20ページと量が多いので、社長や役員の方に特にご確認いただきたい箇所にチェックをつけた上で、報告会の数日前に提出しています。


宮西邦夫税理士と山田宜彦監査担当(右)

宮西邦夫税理士と山田宜彦監査担当(右)